<番外編> 一人のファンとして
事の始まりは本厚木のジャズクラブ「Cabin」での大西順子の引退コンサートだった。
その時のことを村上春樹が雑誌「考える人」の特集・人を動かすスピーチの号に書いている。
当日の演奏が全て終了し、大西さんが引退宣言をした直後に「オレは反対だ!」と
みんなの前で立ち上がって叫んだのが小澤征爾さんだった。
観客もびっくりしただろうけど、当の大西順子がいちばん驚いただろう。
結局その後で小澤さんと大西さんの会談が始まり、予定していた「お疲れさま打ち上げ」
どころではなくなってしまったらしい。
それ以後小澤さんの説得が続き、ついに北風と太陽の話みたいに
大西順子のサイトウキネン松本への出演が決まった。
この動画だとしっかりまとまった演奏になっているけど、実は前日まで大変だったらしい。
大西さんは演奏しながら自由自在にリズムを変えていく。
しかもリハーサルで同じフレーズは二度と弾かない。
リハーサルを聴いた村上春樹氏も「大丈夫かな、これ?」と思ったという。
リハーサル後の楽屋で小澤さんは「大西さん、やるたびに違うことを弾いてるんだもの。
オケが入る呼吸を掴むのがすごく難しいんだ。気が抜けない。うーん、これ、
うまくいくかなあ・・・」 と憔悴していたそうです
その結果の本番が、上の動画。
その後、大西さんはサイトウキネンフェスティバル(現・セイジオザワ松本)に関わり続け
若いジャズピアニストの養成まで引き受けることになった。 小澤さん、凄いです。
今年もチケットを入手した。まだ3ヶ月先だが今から楽しみ。。。
プログラムは、オネゲル:交響曲第3番「典礼風」とブラームス:交響曲第4番ホ短調
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント